【国語:読解力向上】接続詞を使えるようになろう

国語

長男(中2)と次男(小5)の読解力を高めようと、接続詞について教えてみました。最後に問題があります。よろしければご覧ください。

接続詞を意識したきっかけ

慶應大SDMで学んでいるとき、谷口智彦先生の授業を受けたことがあります。谷口先生は著名なジャーナリスト、作家。そして、安倍元総理のスピーチライターとしても有名です。

谷口先生について凄いなと感じたことがあります。それは話す内容が大変分かりやすいということです。東大卒の方は違うんだなぁ、僕もこの先生のように話せたら素敵だろうなと思っていました。

ある日、分かりやすい話し方の秘密を分析するため、ICレコーダーで録音し、文字起こしをしてみました。すると、そのままできちんとした文章になっていることが分かりました。言葉を発する前に、いや、教壇に立つ前に、すでに話す内容が完成されているのですね。凡人にはとても真似ができません。これでは参考にならないなぁと文章を見ていると、ふと気づいたことがありました。それは、「接続詞」が多用されていることでした。「そして、すなわち、しかし、・・」といった接続詞で言葉が丁寧につなぎ合わされていました。

なるほど。頭の良い人は接続詞を使うのですね。そういえば、人生を振り返ってみても、「接続詞」という概念をきちんと習った記憶がありません。何となく、母国語として使ってきたため、意識したことがありませんでした。

そこで、接続詞の勉強をしようと本を購入しました。

産業図書、「論理トレーニング」、野矢茂樹

これはビジネス書ではありません。しかし、私の仕事のパフォーマンスを大いに上げてくれた一冊です。この本を読んでロジカルシンキングが向上し、企画書、稟議書が通りやすくなりました。(その分、担当外の業務も降ってくるようになりましたが。。)

接続詞の基本

先の本からエッセンスをご紹介します。
論理を接続してつなぐ、いわゆる接続関係には代表的に次のものがあります。

(1)解説 (2)根拠 (3)例示 (4)付加 (5)転換 (6)補足

(1)解説

解説とは、「すなわち」「つまり」といった接続詞を使って、伝えたいメッセージをまとめる、言い換えるといったものです。

速い球を投げるにはスピンが重要である。すなわち、指先でボールをはじくことが大切である。

(2)根拠

根拠の接続関係は、理由と帰結です。これは分かりやすいですね。「なぜなら」「だから」「したがって」といった接続詞が使われます。

あの子は球が速くなった。なぜなら、体重移動が上手になったからである。

(3)例示

これは「たとえば」です。これも分かりやすいと思います。

(4)付加

新たな主張を付け加えるものです。「そして」が典型的です。「しかも」「むしろ」もありますが、こちらについては別の機会に教えたいと思います。「A、そして、B」BはAとはちょっと違う主張になります。

卒業式で別れがあり、そして、入学式で新たな出会いがある

(5)転換

主張の方向を転換します。「しかし」が典型的です。対立する主張A、Bについて「A、しかし、B」とつなぐと、Bを強調することが多いです。

毎日素振りを100回した。しかし、試合でヒットを打てなかった。

(6)補足

これは「ただし」です。次の例をみてください。

a.あのピッチャーの球は速い。しかし、コントロールが悪い。
b.あのピッチャーの球は速い。ただし、コントロールが悪い。

a.については、「コントロールが悪い」の方の主張が強くなります。一方、b.については「速い」が主張であり、「悪い」は補足になります。

これらを一通り説明したうえで、問題を出してみました。

接続詞の問題

次の①~⑦をこの順番で、〔 〕内に示された接続表現を1回ずつ用いて文章にまとめよ。ただし、一つだけ使わないものがあります。
〔しかし、すなわち、そして、だから、たとえば、なぜなら〕

①野球の初心者にとってトレーニングで大事なのは足腰を鍛えること。
②空間認知能力を高めることである。
③野球とは広いグランドの中で直径10cmほどの小さなボールが高速で、縦横に動くスポーツだからである。
④外野フライがあがったら落下地点に動かなければならない。
⑤バッターの打ったボールの角度・スピードを見極め、ボールと自分のとの距離を瞬時に把握し、動く方向を決めなければならない。
⑥グラウンドでよいプレーをするためには空間認知能力が必要となる。
⑦打つ、取る、投げるができても、ベースランニングがともなわないとレギュラーにはなれない。

 

いかがでしょうか。

答えは、

①そして②なぜなら③たとえば④すなわち⑤だから⑥ただし⑦

使わない接続詞は「しかし」です。長男は⑥、⑦の間で「しかし」を入れました。日本語のリズムだけでいくとなんとなく良さそうですね。しかし、論理的にはNGです。⑦はそれまでの主張を否定はしないものの、レギュラーになるための要件を述べています。全体の主張からすると副次的なものであり、「補足」の接続詞が適しています。仮に「しかし」を入れると、主張の方向が転換されることになりますが、「対立する主張」とまでは言えないですね。

長男には少し難しかったかな。少しは読解力向上につながるといいのですが。ご高覧ありがとうございました。

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