中学1年の長男に英検5級の受験をすすめてみました。机に向かう習慣と小さな成功体験につながりました。試験の結果以上に得るものが大きかったと思います。
長男が英検を受験するきっかけ
中学校に入ってから、どのように、何を優先して子供に勉強を教えていこうかと考えました。現代の世界的なトレンドは、グローバル化とデジタル化です。こうしたトレンドにかかわる素養を今のうちから身に着けさせたいなと思いました。
そうなると、やはり英語とプログラミングです。
プログラミングについては別の記事で書いているように人気の「python」を教えています。まだまだ習慣として定着するまでには至っておりませんが、turtleを使ってお絵描きする仕組みは理解するようになりました。
英語については、私が社会人になってから20年間、断続的に細々と続けているTOEIC対策やNHKラジオの「ビジネス英語」で学んだ勉強方法を教えています。スタートダッシュがよかったのか、他の教科に比べると英語の点数は良いようです。
せっかくそうした状態にあるので、もう少し伸びるきっかけを与えたいなと考えました。
本屋を散策しているとき、たまたま英検の参考書が目に留まりました。私が中学生だった30年前にも英語検定はあったかもしれませんが、田舎だったせいか家族や友人との会話で「英検」のようなカッコイイ話題が出ることはなく、社会人になってからそうした制度があるのだなと漠然と認識していた程度でした。どちらかというと会社の推奨もありTOEICの方に関心がありました。
英検は1級から5級に分かれていました。さっそく一番下の5級から順に見てみますと、3級までの内容で中学校の英語は網羅される印象でした。現時点(当時は中学一年生の10月くらい)から始めて、中学校の3年生になる前に3級を取得出来たとすると、高校受験の5科目のうち、1科目の勉強はコンプリートしたといえます。国語、数学、理科、社会の4科目に時間を集中投下できるので、およそ20%の効率アップですね。かなりのアドバンテージです。長男に断りもなしに、申し込んでみることにしました。
英検5級を申し込む
では何級から受験すればよいのか。
5級の過去問を見ると、中学校1年生の授業の半年あまりの勉強で対応できるような内容でした。また、小学生のうちに受験されるお子さんもいらっしゃるようです。すごい!
次に4級の内容を見てみると、助動詞や過去形が出ていました。なるほど。中学校2年生程度の内容でしょうか。現時点(中学1年2学期)で受験するとなると、これらの文法を教える、ある程度の先取り勉強が必要のようです。
両者を比較して、以下の理由から5級を受験することにしました。
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自律的な勉強の習慣をつけさせる⇒ 5級であれば内容が容易であるので自分一人でも勉強できる。
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試験慣れさせる⇒ 長男は塾に通っていないため、模試の経験がない。テストでの時間の使い方が身についておらず、また会場の雰囲気も知らない。
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成功体験を積ませる⇒ 目標を設定し、それを達成するために必要なタスクを考え、実行する。これは人生の中で非常に重要なスキル。ゴールに到達したときの達成感は次の目標設定の動機付けになる。合格する、達成感を得られる確率が高い方がよい。
受験までの準備
受験の申込はインターネットから行うことができました。
ブックオフに子供のポケカ(ポケットモンスターのカード)を買いに行ったついでに、300円で5級の中古の過去問を購入。長男へ渡しました。
過去問は3年分が収録されていました。試験までの期間は2ヶ月間。その間に学校のテストなどをこなしながら、隙間時間に3年分を2回繰り返すよう伝えました。
最初の1年分は隣に座って指導&観察しました。辞書をひくスピードが遅くイライラしました。(子供は未熟なもの。温かく教育する。忍耐。)といった内容を自分に言い聞かせて怒りモードへの移行を回避。読解問題は穏やかにクリア。
リスニングについては非常に簡単な内容で、ほぼ全問正解の力が身についていました。教科書をシャドウウィングさせた甲斐がありました。また、これは同時に私のリスニングの勉強にもなったと思います。平易な英単語のシャワーは、NHKラジオ英会話のように集中せずとも頭に入ってきました。心地よい感じがしました。半学半教ですね。
過去問2週目は時間が厳しかったので、「間違った」のチェックがついている問題のみ取り組むことで妥協しました。受験までのタイムマネジメントでは、想定外の予定が入ることを考慮し、ある程度の時間的余裕を見ておく必要性を学んだようです。
また、ある日、塾に通っているクラスメイトに英検5級を受けることを長男が話したそうです。すると、「中学生であれば普通は4級を受けるよ」とバカにされ、落ち込んで帰宅したことがありました。
子どもの世界は面白いですね。
他人と比較する必要はなく、また学力は人それぞれであるので、気にせずに、我が道を進むよう伝えました。
受験当日
1月に試験がありました。会場となる私立高校に行ってみると、人があふれかえっています。初めての体験で長男も少し緊張気味でした。「あの人は何年生かな」としきりに私に話しかけてきました。
親御さんは教室まで着いていってよいようでしたが、私はそこまではせず、試験開始前に必ずトイレに行くように伝えて別れました。
試験後に話を聞いてみると、試験開始直後、周囲から聞こえてきたペンの音でちょっと焦ったようですが、すぐに自分の世界に突入できたようです。これでちょっとは試験会場の雰囲気に慣れたでしょうか。
試験結果
試験の結果は無事に合格でした。本人はさすがに5級は大丈夫と思っていたようですが、やはり試験の結果をみるときはちょっぴり緊張したようです。
郵送されてきた合格証には切り取ってカードとして持ち運べるものがついていました。長男は大切に切り取って筆箱にいれて常に携帯しています。うれしかったみたいですね。
写真 郵送されてきた英検5級の個人成績表
鉄は熱いうちに打て、ですので、間を置かず、すぐに4級の過去問を買い与えました。長男は「えー、4級も受けるの、いやだなー」といいながら、顔は嬉しそうで、その日からさっそく自律的に過去問に取り組み始めました。未来時制など、まだ授業で習っていないため、一部、個別に教えなければならない個所がありますが、今のところ参考書を見ながらなんとか一人で勉強を進めているようです。
さて、当初の目標が達せられたのか検証してみると、
- 自律的な勉強の習慣をつけさせる ⇒ 達成
- 試験慣れさせる ⇒ 達成
- 成功体験を積ませる ⇒ 達成
ということで、めでたしですね。
次は夏にある4級に向けて励ましながら一緒に歩んでいきたいと思います。
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