中学1年の3学期あたりでしょうか。ふと、社会の勉強はどうやっているのかな、と気になりノートをチェックしました。すると、ひたすら単語を覚える苦行のような勉強をしていることが分かりました。地図を書いて覚える方法を教えました。
長男の地理のノート
常日頃、私は子供に「Googleで検索できる知識は覚える必要がない」と教えています。同じ時間を費やすのであれば数学や英語、国語など、思考力を鍛える科目を勉強しなさいと言っていました。しかしながら、受験は5科目の合計点で勝負となりますので、少しは暗記する勉強へも誘導が必要かと思いました。
3学期に入った頃でしょうか。「手っ取り早く点数を上げるには暗記物がいいよ」と教えると、長男は社会のワークをやりだしました。念のために説明しますと、ワークとは、学校から配布される自学用の問題集です。教科書の同じ出版会社の刊行物であるため、教科書に記載された要点が網羅され、大変よい問題集でした。これをひたすらやれば他の問題集は購入する必要がないと感じました。
どんな勉強をしているのかなと覗いてみると、
図 長男の地理の勉強ノート
といった感じでした。一生懸命勉強しているな、と感心しました。ワークを繰り返し解いて言葉を覚えています。
私は覚えの悪い方でしたので、東大に現役合格するような秀才がよく言っている「読んで覚える」といった芸当はできません。そのため、ひたすらペンを動かし、手で覚える派でした。そんな昔を思い出し、しばし長男のノートを懐かしく眺めました。
しかし、これでは地理の楽しさを体験することもなく、しかも覚える内容がそれぞれ独立しているため、すぐに忘れてしまう効率の悪い勉強法だなと感じました。
また、授業でどのように教わっているのかを聞いてみると、「写真などのデジタル素材を教室に配備されたTVに映写し、それを解説していく」というスタイルとのこと。これは驚きました。手を動かさず、耳から入れるだけでは、よほど頭のよい子供でないと覚えられないです。最近の授業では黒板を使わないのでしょうかね。動画などを使えるので板書よりも多面的で付加価値は高いかもしれませんが、一方で耳から入って、ただ抜けていく子供も多いのではと危惧されます。
地理の勉強は地図を書く
マルス
地理は、手書きの地図を書くことから始めよう
え、地図を書くの?
長男
マルス
そうです。たとえば、次のようなイメージ。教科書で太字になっていたりすることをできるだけ書き込んでいこう。
図 アフリカ大陸の記載例
マルス
こうやって、地理は二次元平面で、スナップショットとして覚えていくといいよ。また、絵を描いているみたいで面白くない?
うん、たしかに。これだと退屈しないかもね。真似してかいてみます。
長男
図 長男の書いたアフリカ大陸
マルス
いい感じだね。他の大陸も同じようにかいてみて、なんとなくでよいので書けるようになろう。
記憶に残る→点数が上がる→楽しくなる
という流れになるよ。
記憶に残る→点数が上がる→楽しくなる
という流れになるよ。
3学期の期末試験で、社会が92点でした。中学1年のテストで初めて90点を超えたようです。本人はとてもびっくりしていました。もちろん、地理だけではなく、歴史の覚え方も指導しましたが、それは別の機会に紹介したいと思います。
この成果としては、点数よりも、本人が勉強に対して自信をもったことがあげられると思います。また、努力が報われるという成功体験をしたことも大きいです。
長男は、「僕は頭悪いから」がいつの間にか口癖になっていました。これは、私の指導の仕方が悪かったと思います。簡単な問題ができないと、「はぁ。。。」とため息をついてしまったことが何度かありますが、そうしたことが子どもの自信を失わせていたのかもしれません。
テストを返却されるとき、「すごい、がんばったね」と先生から声をかけられたそうです。本人はそのことが大変うれしかったようで、照れながらそっと僕に教えてくれました。
また、私の時間にも限りがありますし、自己啓発の時間もほしいので、いつまでも個別指導を続けることは難しいです。したがって、ちょっとずつ自律的に勉強するスタイルに移行しなければなりません。問題を解くやり方も教えつつ、今回のように勉強の仕方そのものも教えていこうと思いました。
コメント