【中2数学】連立方程式 〇%増加、△%減少の考え方

数学
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連立方程式の文章題を教えているときのこと。連立方程式を覚える以前に、「〇%増加」といった割合の考え方についての理解が不十分であると分かりました。小学校で習う概念でありますので、このタイミングで気づけてよかったです。

取り組んだ問題

以下のような問題でした。

ある町のA、B2つの地区では、古紙の回収を実施している。5月に回収した古紙の重さは、A地区とB地区がそれぞれ回収した分を合わせて、840kgでした。また、5月に回収した古紙の重さは、4月と比べてA地区は10%減少し、B地区は15%増加したので、全体としては5%増加しました。このとき、A地区が4月に回収した古紙の重さと、B地区が4月に回収した古紙の重さを求めなさい。

問題に記載されているとおりに、求める答えを素直にx、yとおいて解けばよい問題ですね。

長男はどのように解いたか(間違い)

長男
長男
さて、何をx、yとおこうかな。問題文の最初に5月の合計が840kgとかいてあるから、5月のA地区をx、B地区をyとおこう。

5月のA地区の回収をx、B地区の回収をyとおくと、5月分の式が書ける
x + y = 840 ・・・①

長男
長男
えっと、次に、A地区は4月に比べて10%減ったんだから、逆に考えて5月にくらべて4月が10%増えたとすればよい。同じく、B地区は15%増えたのだから5月にくらべて4月は15%減ったと考えればよいな。合計も4月から5%増えたのだから、5月の合計の5%減とすればよいから。。4月の式は、、

1.1x + 0.85y = 840×0.95 ・・・②

長男は①(5月分の式)、②(4月分の式)の連立方程式を解いて、以下のように答えを出しました。

x = 336 、 y=504

きちんと整数で導出されたので、正解!と思いました。

しかし、中学生の問題にしては答えの整数値が半端な気がしました。そこで念のために答えを見てみると、やはり間違っていました。長男の計算過程を見返したところ、式の導出が間違っていることが分かりました。割合の考え方でミスがありました。

どのように教えたか

〇%増加、という割合の考え方がちょっと間違っているね。次の絵を見てみて
マルス
マルス

 

図:4月に比べて5月が10%減少

 

「4月にくらべて」とあるよね。4月を仮にzとおいてみよう。そうしたら、5月分のxはどう表せるかな?
マルス
マルス

長男
長男
えっと、
z×0.9=x
となります

正解!すごいね
すると、4月分は
z=x/0.9
と表されるよね。
マルス
マルス

長男
長男
あ、たしかに。さきほどは、なんとなくで、
1.1x とおいてしまった。 1.1xと0.9xでは全く違ってくるね

そうなんだよ。よく気が付いたね。割合の問題を考えるときは、比較対象をきちんと認識することが大切です。この場合は、「4月とくらべて」とあるので、4月を基準に式を丁寧に考えよう。慣れるまでは、今回のようにもう一つの文字を使ってもいいよ
マルス
マルス

長男
長男
うん、zを使うというのが分かりやすいので、この次使ってみます

ちなみに、正しい答えは、
x=320、y=480
となります。また、5月分をx、yとおくと結構大変な計算になります。正しい答えにたどり着けるとは思いますが、計算ミスを誘発するリスクがあります。こうした問題では素直に問われている内容を文字x、yとおきましょう。
マルス
マルス

補足

セオリー的には、素直に4月の古紙の重さをx、yとおいた方がよいですが、問題文の最初にある「5月分をあわせると840」にひかれて、5月をx、yとおくのもダメなことではありません。計算は大変になるため、塾や学校の教師からしたら注意を受けると思います。でも、私はユニークで面白いなと感じました。

 

 

 

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